切妻二階建の商家

「日本の情景」というシリーズで展開しているもののひとつである。
昔から日本にあるような建築物を模型化する企画で、これまでにはなかったようなプラスチック製のキットを次々と発売していった。
残念ながら、勢いが付いたところで終了してしまったようだが、それぞれよくできたものが今でも入手できる。
後述の入母屋二階建の商家と、ほとんどの部品を共用する形で出されたものだが、屋根の違いだけでもずいぶんと雰囲気を異にしている。
窓の部分は大きな開口部になっており、印刷シートの窓ガラスや格子を接着する。
両方とも1階部分のバリエーションがふたつと、それに合わせた印刷シートが同梱されている。
2棟入なので、1階部分のバリエーションがふたつしかないことから、入母屋と合わせて4棟を組むと、同じ1階部分が2棟できてしまう。
右のは図面通りに組んであり、改造などはしていない。
左の1階部分は、同シリーズの看板建築の商店にだけ入っていたものを流用してある。
看板建築のキットも、後ろの部分は切妻を流用している。
看板建築というのは、正面から見た場合は横が見えないという大前提で造られているので、こちらの正面として使うことにした。
それにともない、妻面の1階部分をエバーグリーンの下見板に貼り替えた。
このキットは下見板の間隔がずいぶん広いので、2mmピッチのものを利用してある。
手間がかかったところというと、漆喰壁をモールドに沿って塗り分けなければならなかったことだろうか。
あとは、接着剤を多用して組むと、4面が中央に向かって歪むことだった。
しかも、屋根は妻面でしか接着できていないので、下だけでなく前後の上も歪んでくる。
このあたりは土台の板などもないので、プラ角材を組んで補正するしかない。
上は3mmをH型に組み、下は5mmを日型に組んで歪まないようにしてある。