小型駅

最初に住んでいた町の最寄りの私鉄駅が、東急池上線池上駅だったこともあり、この規模の駅舎はとても好きだ。
池上駅はバス路線も多く、沿線では大きな駅だったようだが、ほかの駅と同じくこのくらいの駅舎だった。
当時は緑色の17m片開き3扉車の3輌編成という、まとまりのよい電車が走っており、このような駅舎がよく似合っていた。
さすがにキットなので、細かい部分や入り組んだところもよくできている。
しかも私鉄を意識したストラクチャーというのは、国鉄中心の当時としてはめずらしかった。
出札口は、自動券売機と窓口のみのものを選択できるようになっており、かなり広い年代設定が可能であろう。
シールは私鉄用と国鉄用が1枚に収められていて、どちらでも作り分けられるとはいえ、形状から言って私鉄用ということになると思われる。
ほかに付属品としてホームのキットにも入っている売店があり、駅前に置くようにされていたようだが、とりわけなくてもよかろう。
あとは電柱を2本立てるようになっていたが、これもなくてもよい。
四角い郵便ポストは「郵便差出箱7号」といって、1962年から普及したものなので、それ以前の設定なら鋳鉄円筒形のものが似合う。
とくに改造もせずそのまま組んで塗装しただけだが、ホームに上がる階段は接着していない。
これは同社の対向式ホームと接合できるようになっているが、それだと単線区間ということになる。
駅舎の規模から、複線区間あるいは単線でも交換駅あたりがよさそうな気もする。
そうなると隣のホームに行く通路が必要になってくるが、跨線橋や地下道ではなく構内踏切にしてみたい。
そうすると駅舎と階段の間に設置することになるので、接着はしないでおくのがよい。
その後ろあたりに同社の便所を設置すれば、見栄えもよくなってくることだろう。
もちろん都市の小私鉄の駅舎として使ってみたい。
キットの箱絵は誰の趣味かは知らないが、江ノ電1000形のような電車とエプロンドレスの女の子の後ろ姿が描かれていた。
今ならメイドさんと呼ばれているのだろうか。