詰所

最近ではこういった小さな建物のプラキットもめずらしくはないが、グリーンマックスから発売された直後には、ずいぶんと重宝されたものだった。
左のものが最初に詰所という商品名で出てきたのだが、線路脇にこういうものがひとつあるだけでも、ずいぶんと印象が違ってくる。
HOゲージあたりだと、だいたいケント紙などで自作するのだろうが、Nゲージでは下見板を作るだけでも大変だった。
そういうわけでプラキットの発売は歓迎されたものの、その後はメーカーに出せと言うばかりで自作しなくなったのも事実であろう。
もっとも改造は盛んで、これを切った貼ったしていろいろなものを作っていた記憶がある。
このキットにはほかに竹製梯子、トロッコ、ドラム缶、木製鉄路柵が附属しており、気の利いた構成である。
土台部分はもう少し広く、トロッコを載せる線路らしきモールドもあったが、どこにでも置けるように切り取ってある。
次が保線詰所という名で出された、コンクリートブロック造りの建物だが、幹線や大手私鉄などには似合いそうである。
鉄道施設以外にも使えそうで、それなりに利用価値は高いかもしれない。
ツルハシやシャベルも付いているが、なかなか精密な成型になっている。
その隣は詰所ではなく、便所と物置を作り分けられるキットだ。
扉を付けると物置で、開口部の前に衝立を付けると便所になる。
土台部分は前後に延びていて、衝立はそこに接着する。
反対側には汲取蓋のモールドがあり、別部品の臭突を付けて汲取式便所が完成する。
手持ちを全部物置にしてしまったので、今のところ便所は作っていない。
かつては都市部の駅にも多く見られたが、水洗式が多かったので、汲取蓋と臭突を省略することもできる。
余談だが、これはグリーンマックスの本社がある東武東上線大山駅に、かつてあったものを参考にしているそうだ。
社員が写真を撮りに行ったら駅員に不審がられたそうだが、その駅員も鉄道模型をやっていて、事情を説明したら立ち会って撮らせてくれたとか。
その甲斐あって、中の仕切や男子用便器まで細かく再現されている。
屋根を接着しなければ、中を見ることもできるようになっているという、細かいキットになっている。
次は乗務員詰所で、いくらか大型のキットである。交代乗務員の休憩や宿泊などの施設ということだろう。
これも保線詰所と同じくコンクリートブロック造りだが、屋根は鋼板の折曲仕様になっている。
これはずいぶん昔に作ったので、だいぶ古びていて背面の換気口脇の煙突がなくなっている。
土台もあったが、セクションに組み込むために作ったので、最初から付けていなかった。
あとから買ったもので、少し大きな建物を作ってみた。
本体にプラ角棒を組み合わせて2階建てにしたものだが、地方役場の別棟とか考えながら改造した。
背面は見えないように置くので、プラ板で塞いである。
シャッターの中に自動車が入るかというと、軽自動車くらいなら車庫として使えそうである。
詰所類は、ほかにも改造ベースとして作ったことがあるが、現存しているのはこのくらいである。
以前は、都会型プラットホームに入っているホーム事務所が3個セットで分売されていたが、現在はなくなっている。