ビジネスビル(吹き抜け)
久々の建物キット発売に期待していたのだが、これまでのものと全く違う構成のものが出てきたのには驚かされた。
従来の板状キットとは違い、ブロック構成というべきだろうか、何種類かの部品を貼り付けつつ組み立ててゆくようになっている。
そのため、基本的な形にとらわれずに好きな形状をいくらでも考え出すことは可能だが、部品数からある程度の限界も見える。
たくさん買えばそれも解消されるかもしれないが、それなりの建設費はかかるのと、産廃(余剰部品)が大量に出そうである。
販売形態は、車輌のように基本セットと増設セットからなり、両者の違いは1階部分の有無などである。
壁面ひとつを作るのに、窓の部品を含めて3枚を貼り合わせるという繁雑な構造で、よほど気をつけないと外壁に段差が生じる。
3階+2階の構成なので、奇数階しか作れないなどの制約はあるが、工夫次第でいろいろなものを作ることはできそうだ。
設定年代は1980年代以降とのことだが、吹抜部分を多用しなければ、それ以前の年代に落とすことも可能だろう。
メーカーの作例や雑誌に掲載されたものは、無改造で貼り合わせてあるせいか、拡張版にするとどことなく不自然にも思える。
もうひとつの問題は、部品がそれぞれ大雑把に作られていることだ。
これまで出された同社のキットからは、およそ考えられないことである。
具体的には画像を見ていただければおわかりのことだが、初期のキットでさえ、はるかに気が利いていたと思われる。
屋上の柵とか塔屋などは、あまりにも大雑把なので使いようもなく、ほかに流用することにした。
これは買ってきたものではなく、発売前の見本をもらってきて組んだものだが、時期からいって最終試作品だろうか。
そのままではとても組みたくないので、かなりの改造をしてある。
最大は偶数階にしたことで、2階以上の部品の一部を半分に切って6階を作ってある。
外側の部品は1階づつなのだが、内側が2階で1組なので、そのあたりが厄介だ。
あとは、吹抜部分をエレベーターシャフトにして1階まで下げたので、入口を切り詰めた。
正面には各階ごとに1mmのプラ棒を横にしてあるが、これは組立時の段差が解消できなかったからである。
そのほかは手持ちの部品で工夫して、それなりに仕上げてみた。
屋上の濃い灰色の部分は、プラ板で、手前のエレベーター塔屋もあまった壁面を切り貼りして作ってある。
一応、土台も使って面積はキット通りにしてあるが、この寸法は関水金属のジオタウンに合わせてあるらしい。
手持ちの部品で6階建てを作ったので2面しか作れず、左側と背面はプラ板を貼ってあるだけなので画像は掲載していない。
せっかくの新しいストラクチャーキットなのに、あまり評判はよくないらしく、続いて出るはずの連窓タイプ発売の話は全く聞こえてこない。