地上駅舎

関水金属が独自のストラクチャーを発売したのは、たぶんユニトラックを展開した頃だったと思われる。
それまでは、外国製のストラクチャーにいくらか手を加えたものや、そのままとおぼしきものに同社のブランドを付けて売り出していた。
そのようなわけで、ユニトラックの規格に合わせたホームを出したことから、それに対応する駅舎も出さざるを得なかったというところだろうか。
最初に出てきたのは、これともうひとつ大型の橋上駅舎だったはずである。
こちらは対向式ホームに対応しており、複線区間に使用する場合は、同社の跨線橋を使うようにされていた。
橋上駅舎がかなり手の込んだ作りだったのに比べて、地上駅舎は思ったよりもお手軽なように思える。
部品構成や成型も単純なので、塗装済(成型色別だが)完成品としては価格が抑えられていた。
あとは附属のシールを貼ればよいというくらいのつもりだったのだろう。
もっとも、出札口付近は土台から大雑把に立ち上げたモールドだったので、壁面とは隙間ができるし目立つテーパーも付いていた。
その横の通路部分は、本体の天井を下に向かって直角に折り曲げただけなので、天井部分には大穴が開いていた。
ところで、どこのメーカーもそうなのだが、なぜ改札口のラッチに仕切板を付けないのだろうか。
どれも単にラッチが並んでいるだけで、これではラッチの間の通路はどちらから通ってよいのかわからなくなる。
ラッチ、仕切、ラッチ…と並ぶのが普通なので、この規模の駅ならラッチはひとつでもたりそうだ。
その隣に売店らしきモールドが土台から立ち上がっているが、これもシールを貼ってなんとかしろということだった。
そのようなわけで、まづ出札口をあまっていたグリーンマックスのキットのものに取り替えた。
あとは大穴の開いた天井を塞ぐくらいで改造は終わり、全面塗装で仕上げた。
プレハブ建てのような感じだが、小私鉄の駅舎が安普請なものに建て替えられたとか、国鉄の“反対側の出口”くらいに合いそうだ。
ユニトラックの高さに合わせた階段も附属しているが、こちらは使うかどうか不明なので未塗装のままである。
さすがに関水金属だけあって、成型自体はよくできていると言えよう。