切妻造り01
出桁造りと同時期に発売された日本風建造物で、こちらは平屋建てになっている。
出桁造りも側面は切妻だったが、正面の出桁に重きを置いてそう呼ばれていたものと思われる。
左が切妻造りの町屋1で、右が同2である。
基本的な作りはほぼ同一で、側面と背面は共通しているので、1の背面写真は省略した。
違いは正面に集中しており、1の透明プラ部品に印刷された窓桟は、たいへん細かく仕上げられている。
扉の左側の窓桟は本体のモールドだが、こちらも負けずにきれいな作りになっている。
あとは、1では屋根と差掛の間に細い窓が中央に開けられているなど、意外なところが凝っている。
この見えにくい部分の表現も、1と2では変えられている。
2は1の左側に作業場を増設したもので、この部分は後付けである。
正面に並んだ窓の幅は同じだが、2では縁側が作られており、内側の障子まで再現されている。
1の玄関のところが雨戸袋で、張り出しの部分が玄関という作りになっている。
このあたりはバリエーションを組む上で、合理的に仕上げられていると言えよう。
前述のようなわけで、1の左側面は2の作業場がないだけで、その部分は単に下見板が続いている。
1では、左側面の正面のすぐ後ろに木戸の部品が付いている。
2の土台は水平ではなく、右後方に向かって勾配がかけられている。
後ろが上がっているというよりも、前の方を一段高く見せるための措置のようだ。
正面と作業場の部分が後ろよりも天地があるのだが、細かいところにこだわりがある。
例に漏れず塗装済完成品の色がよくなかったので、いつものように全塗装した。
特に裏口のトタン屋根と作業場の壁が悪かったが、いかにも中国的というべきだろうか。
あとはいつも思うのだが、便所の臭突の角度があまりにも不自然というか、むりやり曲げて取り付けられている。