切妻造り02

前述の1と2とは全く別の金型で作られている、切妻造りの町屋3である。
2階屋だが奥行きはほぼ同一なので、むしろ1と2が低い分だけ大きく見えるかもしれない。
漆喰塗りの玄関などが堂々としていて、個人宅だと小なりとも地主の家というところだろうか。
玄関扉の脇に、小さな呼び鈴のモールドが付けられているあたり、金型の細かさがうかがい知れる。
これを一発勝負で色入れするのは、薄氷を踏む思いだった。
全体は再塗装してあるが、玄関の漆喰だけはめずらしくよい色だったので、そのままにしてある。
1階は2と同様に縁側が表現されており、窓の内側の障子も細かく作り込まれている。
庭先に生垣があるので、場合によってはその手前が道路になるのかもしれない。
道路拡張で庭が削られたという設定もおもしろそうだ。
植え込みは、関水金属のフォーリッジをプラモデル用接着剤で固めてある。
右はほぼ同じ金型で屋根を換えた寄棟造りの町屋1というが、今のところ2は存在しない。
ひとつだけ作ったのではもったいないので、バリエーションとして考えられたのだろう。
正面1階の屋根など同じ金型を使いながら、ずいぶんと雰囲気を変えられたものだ。
2階の窓が少ないこともあり、こちらは少々無骨な感じに仕上がっているようだ。
1階の左側が扉になっているなど、作業場をもつ家といったところだろうか。
側面と背面は共通なので、背面の写真は片方だけにしておいた。
田舎に行けば今でもよく見られる建物だが、うちの設定年代の東京23区では、まだたくさん残っていた記憶がある。