通運会社営業所

都市部でも地方でも、だいたい主要駅の前には日通の営業所があった。
よく目立つ黄色い建物で、これまた目立つ赤丸の日通マークが掲げられていた。
造りは単純なやや長方形の建物で、四方流れの屋根が普通だったような記憶がある。
どこに行ってもそうなのかどうかはわからないが、少なくともこの姿が記号論としては成立するはずである。
関水金属の地方建造物シリーズでも、やはり同じような建物として発売された。
これは初の日通営業所ではなく、だいぶ前に津川洋行から発売されていた。
そちらはもう少し小柄で、同じプラスチック製だが同社ならではの単純なものだった。
もっとも、関水金属のは日通営業所とは明記されておらず、看板もなんとなく似たようなものにされている。
たぶん製品化許諾の関係なのかもしれないが、津川洋行が出した時代にはそれほどうるさくもなく、自由に看板も使えたのだろう。
個人が日通の営業所にするのには何の問題もないので、あとからパソコンで看板を作って貼り直せばよいだけだ。
建物はまぎれもなく、昔よく目にした日通の営業所で、この規模なら都市部の貨物ホームの脇にでも置ける。
たしか、国鉄時代の新宿駅の南側にあった貨物施設に建っていたのも、このくらいの大きさだったような気がする。
ただの四角い建物ではなく、裏に宿直室のような張り出しがあるあたり、いくらか大きめな施設になっている。
大きいといえば、なぜかこのあたりの関水金属のストラクチャーはスケールオーバーに見えてしまうが、まわりに建物を置くとそうでもない。
単体では大柄に見えてしまうのが不思議である。
天井の高い木造建築で、もしかすると玄関から入って靴を脱いで上がる構造なのかもしれない。
扉の横にある窓の高さからそのような気もする。
黄色部分は艶も抑えられてよい色だったので、そのままに生かしてあるが、あとは屋根瓦以外を再塗装してある。
裏の張出部分は別部品だったこともあり、表と連続の黄色ではなんとなくメリハリにかけたので、あえて濃い色で塗ってみた。
細かい部分の色入れもしているが、はみ出したときに修正する黄色は、Mrカラーのものを適当に使ってみたが、あまり目立たなくて済んだ。
駅前以外のところに置いても問題はないので、使い勝手はよい建物であろう。
あとから茶色仕様も出たが、あまりにも似合っていなかった。