地方銀行
なにも地方を付ける必要もないのだが、たしかに大都市圏ではあまり見かけなくなった。
残っていても、本来の用途である銀行としては使われていないことだろう。
昔は都市部といえども、銀行といえばこのような建物だったわけで、高度成長以降もどことなく列柱を模したような印象を残す建物がよく見られた。
ガラスの面積が増えてくると、重厚さも失われてきて、都市部ではビルの1階に収まるのが普通になる。
1960年代にはまだ都会のどこかに残っていたような記憶もあるが、現金自動引出機が普及する頃になると、さすがに姿を消していった。
うちの設定年代だとまだ残っているものの、やはりターミナル駅周辺からは姿を消していたかもしれない。
とはいえ、このくらいの歴史もありそうな重厚な建物となると、郊外の駅前にはあまり似合いそうもない。
そのようなわけで、名前の通りの地方銀行でも、地方都市の主要駅くらいでないと存在していなかったことだろう。
まだ銀行とか百貨店というものに格式があった時代の産物で、窓のない木製の扉と石造りの建物が“普通の人”を遠ざけているかの如き姿であろう。
複雑な構造のわりには、たしか部品構成は単純だったような気がする。
塗装はされていたのかどうかも覚えていないが、明るすぎてよくない色だったので、屋根以外は全面塗装してある。
改造はしていないし、するつもりもないので発売時の姿をそのままとどめている。
唯一手を加えたところといえば、玄関脇の看板のシールを貼るにあたり、0.3mmのプラ板を貼ってからにしたというところだろうか。
中身を抜くのがめんどうな構成だったので、そのままにしてあるために、かなり重量がある。