街並みコレクション第5弾(大型建物編) 前編
発売前にはスケールよりも小さなものが出てきて、Nゲージのストラクチャーには使えないかと心配されたものである。
ところがそれは杞憂で、充分使える建物が出てきたときには誰もが安堵した。
とはいえさすがに小規模な建物が中心だったが、ブラインドボックス仕様の限界ではないかと思っていた。
ところが第5弾にして、その名も大型建物編という思い切ったものが発売されたのには驚かされた。
これも全6種類だが色違いは2種類のみで、1カートンは8個入になっていた。
どれもNゲージのストラクチャーとしては初登場の建物で、ずいぶんと歓迎された。
左は単にビルという名称だったが、円筒形の商業ビルということだ。
矩形の部分は普通に組み立てるのだが、円筒部分は一体構造で銀色の塗装もきれいに入っている。
屋根上の看板を載せれば、この部分はできあがる。
ただし入口のテントの部品は、テント側の突起と建物側の溝が合わないので、現物合わせで突起を削ってはめ込む必要がある。
矩形と円筒形の高さが微妙に異なっているので、屋上への出入口は円筒形の扉が床面よりも低くなっている。
これは細かい色入れや塗装がかすれていたところ以外は手を付けておらず、無改造で作った。
中央は消防署だが、煉瓦張りの古風な建物で、今でも実在していたら文化財級であろう。
全面塗装だけして無改造で組んだが、望楼のある屋上の床が傾くので、望楼を直立させる必要があった。
後ろ側にプラ板を敷いて、少し浮かせるくらいでなんとかなる。
ところでこの望楼だが、飾りではなく普段から人が入って見張りをしているのだろうか。
なんとなく古い大型船のトップマストにある見張台と、ほとんど変わらないような狭さのような気もするのだが。
車輌はコレシリーズを使えばなんとでもなるが、トヨペット・クラウンのステーションワゴンの救急車が出てほしいものだ。
右は銭湯だが居住空間がない建物のようで、後が切り取られているような外見である。
箱の大きさから限界だったのかもしれないが、いくらか違和感を覚えるとはいえ、レイアウトの壁際にでも置けば気にならないかもしれない。
高い塀の内側にある坪庭なども、手を抜かずに細かい部品を用意してある。
銭湯らしさはよく出ているので、第5弾の中では最も人気が高かったようである。
ブラインドボックスだが、これだけは手触りが違うとかで、鉄仲間は箱を握った感触で確実に当てていた。
このシリーズは基本的に素組ということで、やはり全面塗装のみで改造はしていない。