街並みコレクション第5弾(大型建物編) 後編

引き続き大型建物編だが、左は銀行ということだ。
これは色違いがあって、手持ちのが信用金庫になっているところから、たぶん看板も違っていたと思われる。
全面塗装をしたので、元の色が何だったか忘れたが、接合部の位置がよく考えられている。
パテ埋めをしないで、接着剤を多めに付けて塗りつぶすくらいで継ぎ目は目立たなくなったし、その必要もない箇所もあった。
どういうわけか、四方流れの鉄板棒引の屋根は塗装していない。
たぶん、元の色とウェザリングの感じがよかったからだと思うが、本体のウェザリングをしていない状態ではいくらか目立つ。
大型といっても関水金属の銀行に比べれば半分くらいだが、コレシリーズとしてはたしかに大型であろう。
都市の私鉄の駅前などに置けば、ちょうどよい大きさになると思われる。
中央は駅前旅館ということだが、昭和30年代の喜劇映画にでも登場しそうな建物のようだ。
たぶん1階の天井はずいぶん高いものと思われる構造になっており、木造2階屋にしては背が高い。
1〜2階の窓の間隔が広いので、いささか普通の建物とは趣を異にしている。
駅前にデンと置くか、路地を入ったところに置くか考えたいところだ。
小田急線の登戸−向ヶ丘遊園間にふくだやという旅館があって、表通りから人がすれ違えるくらいの幅の路地を入ったところにあった。
電車通りに置くのもよいが、そのような感じでもあるいは似合っているかもしれない。
これは2階の差掛があまりにも大きく歪んでいて、矯正してもしきれずに波打ったまま接着することになってしまった。
あとで建物コレクションとして再販されたが、改善されているのか、あるいはこれだけが偶然不良品だったのかは定かではない。
改造はしておらず全面塗装で仕上げてあり、生垣はカラーパウダーを接着してある。
右は劇場ということだが、映画館である。
だいたいどこの町にも、このくらいの規模の映画館が駅の近くや住宅街の中にあった。
初めて映画館で観た怪獣映画は『ガメラ対ジャイガー』で、東急大井町線久品仏駅の近くの住宅街でのことだった。
40年以上は前のことだから、もはや跡形もないであろう。
1970年代になると、こういった場末の映画館は急速に減ってゆき、残った館もポルノ映画専門になっていった。
とはいえ、エロチックな看板を出し続けられるわけでもなく、城南電機の広告のような赤黒の文字だけの看板になっていった。
それも今では、ほとんど残っていないだろう。
これは銀行と共に色違いがあったが、屋根の色が赤だったと思った。
屋根以外は全面塗装したが、改造はしていない。
怪獣映画の看板も入っていたのでそちらを貼ったが、ルーペで見るとなんと新藤兼人監督、出演・三國連太郎、乙羽信子とか書いてあった。
余談だが、銀行と映画館は、かつてグリーンマックスのカタログに予定品として、同社のキット改造やスクラッチビルドで仕上げたものが載っていた。
結局立ち消えになったが、同社をやめてトミックスに移った人が長年の夢を実現したらしい。
ほかにも飛行場の施設が載っていたが、なぜかこちらはさんけいがペーパーキットで発売した。