建物コレクション 農家A〜C

街並みコレクションの終了後に始まった建物コレクションは、田舎の建物から展開された。
こちらはオープンパッケージなので、買う方もリスクを負わなくてよいが価格も高くなってきている。
農家=田舎ということもなく、東京23区でも少し郊外に出ればいくらか現役で残っている。
うちの設定年代なら、まだ住宅街の中によく見られたものだった。
だいたいどれも正面に屋根付の門のある塀があって、母屋と小屋または離れを持った構造になっている。
左がAで「雪国のわらぶき農家」ということなので、うちの設定地域よりも北に見られるものになる。
表側は濡れ縁がない密閉構造なので、後ろを向けて置けばよさそうだが、曲がり屋の構造は隠しようもない。
屋根が低い部分は元々馬小屋だったのだが、機械化された現代では農耕機具の置き場になっているのだろうか。
それよりも、今でも残っていたら文化財級なのかもしれない。
屋根以外は塗装して、とくに改造はしていないが、門柱と塀の間大きな隙間があったので、そこだけは修整しておいた。
塀の材質は本体よりも柔らかい樹脂製だが、接着は容易だ。
中央は「赤いトタン屋根の農家」といい、栃木県に実在するものを参考にしたらしい。
それにしても、なぜこのような特殊な形態のものを模型化するのかわからないが、変わったものに価値観を見出したのだろうか。
変則な母屋に離れと小屋がひしめいているわりに、裏にはむだな空間を池だか花壇にしているという不釣り合いのものだ。
犬小屋に犬まで附属していたが、犬は付けなくてもよかったかもしれない。
この板塀は本体と同じ硬いプラスチック製で、成型はとてもよい。
これも屋根以外は全面塗装したが、無改造で仕上げた。
右がCで「真壁の塀のある近郊農家」だが、高さの割に面積が狭く、どことなく不安定な印象を与える。
玄関の背後がまっすぐに切り立っているあたりがそう感じさせるのだろう。
あとは、2階の屋根がだいぶ深いことからだろうか。
これにはトラクターが1台附属していたので、それなりの規模の農業を続けているというところか。
近郊農家は今でも健在だが、大型の機械を入れて耕作しているところは減りつつある。
これも同じく屋根以外は全面塗装して無改造で仕上げてある。
塀の材質はAと同じで、ゆがみを修整するのに手間がかかった。
箱に入っている状態が悪かったせいで、ずいぶんクセが付いてしまっていたようだ。
このシリーズも植え込みとか雑草はモールドに塗装で表現されており、スポンジなどは入っていない。
そこで、モールドの上から、または一部を削って輸入ストラクチャーキットのスポンジと関水金属のフォーリッジを接着した。
ひとつ問題があるとすれば、組み立てたあとで地面が反ってしまったということだろうか。