建物コレクション 現代住宅A〜C
住宅のストラクチャーは多いが、大半は建物だけで庭と塀までが一体化されたものは極めて少ない。
その数少ないもののひとつはトミックス製で、和風の郊外住宅という感じのものであろう。
こちらはというと、同じ郊外住宅でも洋風というところだろうか。
土地の広さは農家や工場とほとんど変わりはないので、大都市近郊なら比較的大きな部類に入るのかもしれない。
いづれも道路に面していない3方が塀に囲まれているので、隣の住宅は塀のない仕様にする必要がある。
よく見られるレイアウトでは、そのあたりを配慮しないで建物を置いてあるので、たいへんな違和感を覚えることがある。
膝の高さくらいの段差とか、そういう細かなところを解消することによって、自然なものができるということを忘れてはいけない。
左がA(洋瓦の家)で、よく見られる形をきれいにまとめてある。
70年代頃をイメージしたということだが、今でも同様の建物はよく造られている。
もっとも最近は、洋瓦を使うついでに壁面を南欧風にするものが増えているようにも思われる。
鉄骨に曲げた波板張りの車庫など、たしかに70年代くらいから一般に普及し出したと記憶している。
改造はしていないが、全面塗装で仕上げてある。
中央がB(コンクリート打ちっぱなしの家)で、80年代をイメージしてあるとのことだ。
とはいえ70年代から見られたもので、当時はまだめずらしかったとはいえ、どこの町でも何軒か建っていた。
大成建設のパルコンが登場したのが1969年なので、このあたりから鉄筋コンクリートの住宅が普及したはずである。
当時からかなり奇抜な外見もあったようで、このような建物もあったのかもしれない。
1960年代なかばからインダストリーデザインが大幅に変わってゆくのだが、その過程は実に何でもありだった。
このような住宅も、そういった前衛的表現のひとつだったと言えよう。
建コレだけにコンクリートの表現がいくらか粗いが、雰囲気はよく出ている。
これも無改造だが、全面塗装をして仕上げた。
右がC(大型二世帯の家)ということで、年代は表記されていないが最近のものを基本にしているのかもしれない。
昔の洋館風の家を現代的に仕上げたもののようだが、作りが大雑把なのでどの時代にもよさそうだ。
少し古く見せるために、中央の窓に1mmのプラ角棒で桟を表現してみたが、1mmでよいところはやはり建コレである。
あとはポリカーボネイトの屋根を持つ車庫があったので、こちらは青天井にしておいた。
うちの設定年代では、まだ大型のポリカは生産されていないので、付けないことで年代を表すことにした。
その部品は、関水金属の高架駅を改造した駅ビルの屋上に流用してあるが、ポリカ屋根には見えないかもしれない。
余談だが、1960年代に流行った“像が踏んでも壊れない”サンスターのアーム筆入れはポリカ製だった。
並べて上からの圧力をかけても潰れなかったが、蓋だけ電車の扉に挟んだところ、まっぷたつになってしまった。
扉の閉まり方が乱暴な小田急2200形だったこともあるが、持ち主は半分になった蓋を持って半泣きになった。
あとは塀と同じ厚さの門扉を薄くしたくらいで改造はしておらず、全面塗装で仕上げた。
どれも草や低い茂みはスポンジやフォーリッジで表現したが、まだ高木は作っていない。
初回特典に乗用車が入っていたが、どれも設定年代を超えていたので譲ってしまった。