建物コレクション 建売住宅A〜B
バブルの後くらいからだと思うが、うちの近くで家が取り壊されると広い敷地が現れる。
とてもそんなものは売れないので、2〜4分割して売りに出される。
それでも売れないと、見かけだけはよさそうな安普請の家を建てるのだが、それでやっと売れるということが多い。
最近はというと、庭もないような戸建てが取り壊されると、間口5mにも満たないような細長い家が建てられて売られる。
それとは別に、農地などのまとまったところが建売住宅地化されると、よく似たような仕様の家が並ぶようになってくる。
たぶん、開発会社が規格化して造れば安上がりだということで、判で捺したような戸建てが揃うのだろう。
そういうところも、あと30年ほど建つとどうなってゆくのかわからないが、いづれにせよつまらない街が広がっているのはたしかである。
そう考えると、昔の建売住宅の方がまだ個性的だったと言えよう。
ちょっとした空き地に行き止まりの私道を造って、それを囲むようにどれも違った家が並んでいるのをよく見かけた。
それを模型化するとこのようなものになるのだが、これが6軒くらいになると中央の通路はアスファルト敷きの私道となる。
これはたぶん、通路は奥の2軒の土地になるのだろうか。
写真上の左側2棟がAで、コロニアル屋根という名前が付いていたが、箱以外にその表記はない。
大きさや形は同じなのだが、あとは屋根とベランダの部品以外は全く別物になっている。
そのあたりは、手を抜かずによく作られている。
右側2棟がBで、箱にはトタン屋根と表記されていた。
A以上に共通部品はなく、全く別の建物を2棟同梱している。
両方とも1軒づつ分離されていて、通路部分も別部品になっている。
つまり写真のようにまとめて置くということのほかに、単独での配置ももちろん簡単だ。
むしろその方が無改造で作れるわけで、まとめると改造が必要になってくる。
建物本体はそのままでよいのだが、4棟とも四方を柵に囲まれているために、隣接する部分の片方を撤去しないとならない。
メーカーの作例では、単に土台を接着しているだけだが、常識で考えて柵が二重になっていることは考えられまい。
そういうところの手を抜くと、せっかくの出来がよいキットも違和感を抱かせることになる。
改造といっても、それほど大きなことをやっているわけではなく、現物合わせで撤去と調整をすれば済むことだ。
僅かに長さがたりなくなるところも出てくるが、そこはあまったものから切り出せばよい。
あとは無改造で全面塗装のみしてある。