建物コレクション 中古車屋A〜B

メーカーがストラクチャーを発売するときは、やはり凝った名称を付ける傾向があると思われる。
単に「住宅」とか「商店」とか「ビル」とかいう名前でもかまわないのだが、ものによっては決まった用途の名前を付けることもある。
鉄道関係の施設の場合は、改造でもしない限り使い道はほぼ決まっているので、その名称を付ければよい。
町中の建物の場合は、形状をそのまま名前にしてもよいのだが、どうしても頭に名前を付けたくなるのが人情なのだろうか。
「○○ビル」などはその典型で、考える方も苦労は絶えないのだろう。
とはいえ、メーカーが作ってくれたものを購入者が何に使うかは全く自由で、看板を変えるくらいでも好きなものはいくらでもできる。
最近は、メーカーもシーナリィと合わせたストラクチャーを出すようになってきて、この中古車屋もそのひとつであろう。
地面と建物と塀、それに小物を含めてひとつの情景を完成させることができるセットになっている。
それでも、与えられたとおりに作る必要はないわけで、これも地面は廃棄して建物だけを独立させて、塀と小物は温存してある。
左からふたつがA〜昭和風〜で、木造モルタルの事務所と木造の作業棟で構成されている。
普通の中古車屋に、ここまで立派な作業棟があるかどうかわからないが、建物としての利用価値はとても高い。
事務所は駅周辺にある不動産屋にでも使うつもりでいる。
昔はよく、駅前あたりにこのような不動産屋が店を構えていたのだが、最近はビルに建て替えられて見られなくなった。
玄関横に物件情報の掲示板を立てれば、それらしく見えるだろう。
作業棟は何に使うか決めていないが、よい形なのでいろいろと流用は利くだろう。
事務所は無改造で全面塗装だけしてあるが、正面差掛の上にプラ板の看板を接着した。
作業棟は外吊扉だったのだが、たしか開いた状態しか作れなかったような記憶がある。
そこで扉を内側に移設して、外側の取付穴のところにプラ板を貼って看板代わりにしたのだったと思う。
あとは全面塗装だけで仕上げた。
右のふたつがB〜現代風〜で、地面と塀は共通だったはずである。
事務所と作業棟という構成は同じで、たしかに時代の差というのはあるのだ。
これはどうしようかと思ったが、ふたつ合わせて農耕機具販売店にでもと考えている。
国道や主要道の、近くに民家もないところに唐突にあるのをよく見かけるが、そのような建物にふさわしそうだ。
あとは同じような立地のバイク屋などだろうが、中古車屋にはしないと思われる。
要はあまり町の中に置きたくないということで、設定年代の最後あたりからそういう店がこのような建物になったようである。
こちらは何も改造はしておらず、事務所は全面塗装、作業棟はめずらしくよい色だったので細かい色入れだけ直してある。
地面を取ってしまうと小さな建物群だが、利用価値は高い。
建コレに建機レンタル屋というのもあるが、これは倍の広さの地面に事務所を流用したものだ。