建物コレクション ガソリンスタンドA〜B

日本中のいたるところで見られる建造物というか施設なのだが、意外と模型化されていない。
国産ではトミックスが最も新しい形のものを出しているだけだった。
輸入キットではいくつかあるものの、そのままでは日本のガソリンスタンドとして使いにくいものが多い。
どうしても作りたかったら、輸入キットの改造か自作に頼らざるを得なかったところに、ほどよい市販品が登場した。
左がAで、昭和30年代風という。
今でも給油機だけ新しくして生き残っているところもあり、相模原あたりの国道16号線で利用したことがあった。
洗車機すらなく「給油以外は何もしません」と書かれており、セルフではなかったがとても安く行列ができていた。
鉄筋コンクリートの四角い建物に給油機だけという、昭和30年代に造られた合理的なスタンドである。
給油機に屋根がないスタンドも当時はあたりまえで、雨の日などは苦労したことだろう。
余談だが、末期の有鉛ガソリンは、屋根のない隅の方の機械で給油させられた記憶がある。
この頃はほかにも、かなり凝った建物を有するスタンドも見られたものである。
日本で洗車機が登場したのは昭和38年だから、なくてあたりまえかもしれない。
右がBで、昭和40年代風ということになっている。
こちらには洗車機を置いてもよさそうだが、箱の大きさもあってか地面をほぼ共通化しているので基本的な仕様はAと同様である。
洗車機を置きたければ敷地を広げて自作するしかないが、建物全部を右にずらす必要がありそうだ。
それで事務所とガレージの隙間を詰めれば、あるいは敷地を広げないでも済むかもしれない。
こちらは10年後らしく明るい感じで、たしかにV型の屋根など、この時期に流行ったものである。
もっとも、柱1本で支えている屋根のスタンドは見た記憶がないが、どこかの写真を参考に模型化したのであろう。
ところでこの屋根だが、なぜか図面では正面にあたる部分を横の通り側に向けて付けるようにされていたので、90°回して接着した。
給油機も昭和30年代のアナログ式からデジタル式に作り分けられているが、形状そのものは変わっていない。
ガソリンスタンドは、道路に面したところ以外は壁を設置するので、Bはおそらく角地に置かれるものだと思われる。
Bの壁にある出光の文字はモールドになっているが、なぜかAはシールを貼らないとならないが、なくてもよいのかもしれない。
タカラトミーはなぜか出光にこだわりがあるらしく、トミックスのガソリンスタンドも最初は出光仕様から発売されている。
両方とも改造はしていないが、全面塗装だけはしておかないと、白がかすれていたり細かい部分が飛んでいたりしていた。
あとは地面が厚すぎたので、裏側のリブを切り取って薄くした。