建物コレクション 消防署B
どこの町にも探せばだいたいあるもので、バス通りに面していることが多い。
それでも鉄道模型のストラクチャーとして存在していなかったのは、駅前にはないからだろうか。
少なくともレイアウトを作ったときに、その広がりの範囲に収めることは難しいかもしれない。
とはいえ線路の横にあってもよいのだから、駅間に置くことは可能だろう。
外国のストラクチャーでは、各社から大小の消防署が出ているが、日本の風景に使えるものはほとんどない。
国産でもこれのほかには、街コレで古風なものが出ているだけだと思われる(現在は建コレに編入)。
こちらはそれよりもだいぶ新しいもので、どこに置いてもほぼさしつかえない建物に仕上がっている。
メーカーは設定年代を昭和50年代としているが、その理由は火の見櫓がないことかもしれない。
それ以前だと、象徴的に火の見櫓があったのだが、まわりの建物が高くなってきたのでそのうち役に立たなくなった。
それも1960年代後半には新聞ネタになっていたのだから、昭和でいえば40年代中期に火の見櫓がない消防署があっても不思議はない。
うちの設定年代でゆくと、ちょうど最新の消防署ということになる。
消防車が入るだけあって、車庫部分はそれなりに大きくとってあり、かなり堂々とした建物である。
どこでも消防署というのはこのような建物で、車庫の横の玄関にある受付窓など、現物をよく観察して模型化したといえよう。
このあたりが、1世代前に建て替えられた消防署の特徴のようだ。
玄関上の紋章は、形は似ていても警察が金色で消防が銀色なのだが、塗装済キットでもちゃんと塗り分けられていた。
部品構成は比較的単純で、1階の上に2階を重ねるくらいだが、コの字型になった2階の窓ガラス部品が屋上の板を支える仕組みになっている。
そのため、このガラス部品は本来のものを使わないとならない。
あとのガラス部品は0.2mmの透明プラ板に替えたが、1階受付の角などはよく処理できたと思う。
赤く塗られた正面の差掛は別部品で接着されていたが、だいぶ下に傾いていた。
簡単に矯正できるかと思ったが、全く動かないのでなんとか切り離して付け直したが、それでも僅かに下を向いてしまった。
車庫にはロッカーや消防ホースなどの部品を置けるようになっているが、消防士が降りてくる鉄棒はない。
昔はアメリカ式というか、そうやって出場(消防用語で出動のこと)していたのだが、この頃にはもうやっていないかもしれない。
改造はしていないが、全面塗装で仕上げてある。
2階正面に書かれている文字は、タクシー営業所と同様にマスキングテープを貼って保護して、塗装後にはがしたものである。
そこの白い部分が、建物の地の色ということになる。
やはり厚い土台は一枚板になるまで切り取ったが、車庫の床も兼ねているので使わないわけにはいかなかった。