建物コレクション 駅F
都市小私鉄用からローカル風の駅までいろいろ出ているのだが、今度は乗降場が製品化された。
乗降場というのは、北海道だけに見られる特例の停留所のことだそうだ。
長い駅間にいくつか設けられ、地元の人の便宜を図るためのもので、もちろん時刻表などには載っていない。
バス停みたいなもので、利用者がいなければ停まることもないという。
訪ねて来る人には、あらかじめ「○○乗降場で降りると、車掌さんに伝えてくださいね」とか言っておくのだろう。
バスと違って気動車は簡単に止まれないので、駆け込み乗車はできないかもしれない。
木製のホームに斜路と柵がある程度のもので、待合室はあったりなかったり。
長さも1輌が収まればよいくらいで、本当に簡単な施設である。
原野の単線に唐突に現れるので、普通の旅行者なら気がつかずに通過しているかもしれない。
いかにも北海道の風景に似合いそうで、細い道を進んで行くと視界が開けて牧場が現れそうである。
名著『シーナリィガイド』(機芸出版社刊)に載っており、これが乗降場との初めての出会いだった。
製品化されたものは比較的近年のものらしく、電灯やワンマン対応のバックミラーも含まれていた。
これは待合室に扉があるだけましで、なければ風も吹き込むし、待合室も電灯もなければ雨の夜など辛いだろう。
彼方から気動車のエンジン音が聞こえてきて、やがて前照灯の光が見えたときの安堵感がわかるような気もする。
うちの設定は本州の直流区間なので、乗降場は存在しない。
使い道というと、信号所の乗降台くらいで、待合室は別に使うことになるかもしれない。
または小私鉄のホームか、どこかのホームの延長部分かということも考えられる。
待合室とその下の木組みとスロープは別体にしてあり、分けて使うことも前提にしている。
待合室の下の部分をホームから切り離した以外は無改造で全面塗装のみしてある。
出来はなかなかよいので、いろいろなところで使うことができそうだ。
もうひとつ考えているのは、ホーム部分を桟橋に使うことだったりする。