詰所/信号所

都市部で見られるような事業用施設として、2点が発売された。
3階建ての詰所は、少し大きな鉄道施設には必須の建物になるだろう。
とくに電化区間の施設に似合うもので、これがひとつあるだけで雰囲気は全く違って見える。
そのようなわけで、かなり重要な建物になるが、同等のものはあとから関水金属が出したイージーキットがあるだけだ。
もっとも、なんでもかんでも製品化されればよいというものでもなく、自作や改造の余地があってこそ楽しいものなのだが。
これは無塗装の完成品で、灰色成型色の本体と、窓枠の色入れがなされた窓部品で構成されている。
各階ごとに一体成型されており、それを3段重ねにするようになっている。
唯一組み立てるところというと、屋上のクーリングタワーと高置水槽だろうか。
これは土台の部品の中央に付いていて、切り取って屋根にはめ込むようにされている。
最初に出てきたときには、たしか鉄道施設以外にも使えるようにと、警察署などのシールも附属していたと記憶している。
とはいえ、どう見てもこれは鉄道施設の建設様式であり、ほかに似合う施設も少ないかもしれない。
この建物にひとつ大きな問題があるとすれば、あまりにも背が低いことだ。
理由は各階が低すぎることで、窓の上端が上階のベランダの水平部分と接しているのため、天井に余裕がない構造になっている。
これを解消するためには、かなりの大工事が必要となる。
というのは、成型が上階のベランダ(3階は屋上)までが一体なので、一旦ここを切り離す必要がある。
切り取ったところに3mmのプラ角棒を接着して、水平部分をその上に接着することによって、全体を9mm嵩上げすることができた。
これで関水金属のものと同じ高さを確保するに至った。
今にして思えば、細長い窓もほかの窓と上端を合わせればよかったのだが、当時はそこまで手が回らなかった。
しかしながら、元が上端を合わせていなかったので、配置としては全く変わっていないことになる。
あとは全面塗装だけで仕上げてある。
信号所は、かなり新しい作りでプレハブ建てのものではないだろうか。
幅が約20mmと狭いのは、同社の複線間隔である37mmの間に置くことができるようにされているためだ。
関水金属が33mmを基本としているので、トミックスの複線間隔は建物を置けるほどの広さということになるのだろうか。
何を基本に37mmを採用したのかは、どうもよくわからない。
都市部の電車運転区間なら、国鉄でも私鉄でも似合いそうである。
これも完成品だが、土台の上の柵は取り付けるようにされていた。
改造はしていないが全塗装してあるものの、なぜか配管などは色分けしていなかった。
私鉄用にと明るい色にしてみたものの、うちの私鉄はずいぶん古い感じなので、これでは似合わないかもしれない。
そうなれば国鉄に流用するまでだが、この色なら国電ホーム脇くらいに置けそうだろう。