ガソリンスタンド
最近はずいぶん減ったが、全国どこでも見られる建造物なのに模型化はされなかった。
かつてグリーンマックスが予定に入れていたものの、そのまま立ち消えになった経緯もある。
これは、比較的古い様式を予定していただけに残念だった。
そういうわけで、最初にガソリンスタンドを出してきたのはトミックスになった。
トミカを作っている会社だから、鉄道模型でも似たような発想なのだろうか。
この頃のトミックスのストラクチャーは、当時の最新を狙って模型化する傾向があったようだ。
発売されたのはよいが、セルフスタンドを模型化したものだったので、うちの設定には新しすぎた。
それにしても、この広さに給油機が2列4基もあったので、ずいぶんと狭苦しい仕様になっていた。
給油機の間には車1台分の幅しかないので、前の車が出て行ってくれない限り後ろの車は出られない。
また後ろの給油機に車が停まっていると、あとから来た車は前の給油機にたどり着けないことになる。
どうしても出発や給油したければ、バックで出入りしなければならなくなるので、接触事故やトラブルの原因にもなろう。
給油機を1列2基にすれば、追い越しも前に入ることもできる広さなのだから、それが自然ではないだろうか。
ときどき何を参考にして作ったのかわからないストラクチャーが見受けられるが、そういうところが現実味をそぐのである。
いづれにせよ、セルフ式の給油機をそのまま使うこともできないので、そのあたりは大改造した。
給油機は1列2基に減じて、古い形のものをプラ角棒で自作した。
給油ホースは真鍮線で、2基の間にあるものは適当にそれらしいものを付けてみた。
昔のスタンドは早朝に営業していなかったので、ガレージはエバーグリーンの筋目板でシャッターを作り閉め切った。
屋根はそのままだが、4本の柱が邪魔だったので、プラ丸棒をV字に組んで1970年代風に作り替えた。
屋根の後端は建物に載せて、なんとか隙間は塞いだが、これもまたプラモデル用の接着剤を受け付けず、瞬間接着剤で対応した。
洗車機は日本では1963年に登場したので、これはそのままにしておいたが、もう少し細かく作り直してみたいと思っている。
白い部分は成型色のままだが、あとは塗装してある。
地面の2面に歩道もあったのだが、その部分は切り離してある。
なぜか横の歩道のガードレールが前の歩道を横切っているので、前の部分はスタンドの敷地なのだろうか。
出光の文字やマークは附属のシールで、ほかに色違いで2社が同時発売された。
ところがあとになって出光がロゴを変えたので、この品番は絶版になり新しい品番で出光スタンドが出て、他社の仕様も同様にされている。
設定年代のガソリンはまだ有鉛が普通で、たしか金アポロと赤アポロという商品名で売られていた記憶がある。
そのあたりは、スタンド名も含めてあとからシールを作らなければなるまい。
灯油の配達はサニーのピックアップで、立ち寄る車もハコスカとかコンテッサとかパブリカとか…。