津川洋行・商店

ストラクチャーで商店を出すとなると、まづはこういうものが考えられるのだろうか。
ほぼ正方形の両流れ屋根の建物に、四角い前面を組み合わせた商店は、ほかのメーカーでも見られる。
これも看板建築のひとつかもしれないが、凝った造りではないので、そう呼ばれることもない。
模型化するのが簡単なのは、正面以外は共通化できるということがありそうだ。
正面の部品さえ作れば、いくつでも作ることができる。
とはいえ、さすがにいくつでもというわけにはいかないようで、このくらい出しておくのが節度というものかもしれない。
これらは、一部塗装の完成品で、あとは成型色に頼っていたものである。
左からオートバイ屋、八百屋、魚屋、花屋だった。
八百屋と花屋はモールドで店名が付いているが、あとは入口上にシールが貼られていたはずである。
店内まで作られている建物は、たしかこれが初だったと思ったが、八百屋と魚屋は開放的な構造になっていた。
もっとも津川のことなので、スケールも合っていないし成型も塗装もひどかったので、もちろん撤去した。
さいわい設定時間が早朝なので、グリーンマックスの商店であまったシャッターを横にして雨戸風にした。
当時はまだエバーグリーンの筋目板の存在を知らなかったので、あり合わせを適当に使って作った。
バイク屋は、同社のダイカスト製のレーシングタイプマシンが1台付いていて、ウインドウから見えるように接着されていた。
花屋の店内がどうなっていたのか、どうしても思い出せない。
建物本体は塗装していないが、窓枠などは塗ってある。
ちょうど木製帆船用の塗料をもらったので、試しに塗ってみたものの、あまりよい結果にはならなかった。
あとはなぜか屋根を塗ってあるが、たぶん元の塗色がよくなかったのか、あるいは成型色の状態だったのか。
前面の作りは悪くないので、あとは本体を塗り直すか、あるいはバラしてどこかに流用するかということも考えられる。
どうせ、こういう建物で見えるのは正面と屋根だけなので、見えないところはプラ板でもよかろう。
これはたぶん一度だけ完成品が出たあとは、再販とかキット化の話は聞いていない。
余談だが、銀座松屋で開催された初期の鉄道模型ショウでビルの見本が展示されたが、製品化されることはなかった。