津川洋行・工場/飯場

一時期、津川洋行は積極的にストラクチャーを発売したことがあった。
品質もそれほど悪いこともなく、何よりも他社が出していないものを狙って出すあたりが、いろいろと期待を持てた。
左は工場ということで、何を造っているのか知らないが小規模な町工場だろう。
倉庫に見えなくもないが、裏に煙突があるあたり工場なのだと主張しているようだ。
外見は鉄骨スレート張りで、吹き抜けの1階建てのような感じである。
正面のシャッターの内側は、トラックの荷台に積み込むためのプラットホームになっているのかもしれない。
塗装済み完成品だったので、色はほとんどそのままにしてあるが、一部は修正した。
シャッターや窓枠などが水色だったのをそのまま修整したが、ほかの色に塗り替えた方がよかったかもしれない。
元々、平キットだったものをメーカーで組立塗装したものなので、いくつかある中で一番出来のよいものを買った。
同時にキットも出されたという話を聞いたことがあったが、買った当時には確認できず、だいぶあとになって見ることができた。
けっこうよい色で仕上がっているとはいえ、当時キットを見つけたら、もちろんそちらを買っていたはずである。
右が飯場で、大小各1個入りの塗装済完成品での販売だった。
国産というか日本型で最初に出た飯場のはずだ。
外国製では、FALLERが木造平屋のものを出している。
どこの現場にもありそうなプレハブ飯場で、その雰囲気はよく出ている。
同社のキットは板厚がかなりあって、窓のところだけ凹ませるという芸当もないので、窓ガラスがかなり内側に入ってしまう。
そのあたりをなんとかすれば、文句を言われる出来ではないと思われる。
買ったままの姿だが、窓枠を木造に塗ったり、扉もアルミから木製に塗り替えてみようかと思っている。
一部ウェザリングが入っているのは、以前小レイアウトに組み込んだことがあるからだ。
こちらのキット販売は聞いたことがない。
ところで最近の若い人は、工事関係者でも飯場という言葉を知らないらしい。
うちのマンションの大規模改修工事で、建物脇に休憩室兼用具置場を据えたが、若い作業責任者に飯場は通用しなかった。
あれは飯場ではないと思っているのではなく、飯場という言葉自体を知らないことがわかった。
もはや死語なのだろうか。