津川洋行・単線木造機関庫

Nゲージの国産プラスチック製ストラクチャーで、初の木造機関庫が発売された。
津川洋行という会社は、あまり人気はないかもしれないが、とにかく初を狙って出すだけの気概はあった。
なんだかんだと言われながらも、決して悪い出来ではないと思われるのだが。
Nゲージメーカーでは大手と呼ばれる会社に比べて、あまり宣伝もしていないせいか、唐突に入荷していたりする。
当時はまだインターネットなど想像もできない時代だったから、店に行くと思いがけない発見もあったようだ。
プラ製では初なのだが、その前にさくら工房というところが木更津の機関庫をペーパーキットで出したことがあった。
今はない会社だが、末期はHOゲージに移行したらしく、プラ製の地方私鉄型木造単線機関庫を出したのが最後だろうか。
こちらは、プラ製の木造機関庫ということで歓迎されたかというと、あまり話題にもならなかったようで残念である。
これもやはり成形色別の無塗装完成品で買ったのだが、同時にキットも出たという噂もあった。
つい最近にも、キットが再販されていた。
作りは非常に簡単で、浅く大雑把なモールドも、ほかの建物とあまり変わりはない。
これもやはりお座敷運転の道床付線路にかぶせられる高さを確保してあるためか、とにかく背が高かった。
あまりにもバランスが悪かったので、下見板を窓の上下で2〜3枚分切って、つっかえ棒の下端も切り揃えた。
こういうときに接着された完成品というのは不便で、キットなら改造してから接着できるものを。
これでも少し背が高い感じもあるが、窓の天地がやはり広すぎるので、これ以上切りつめるのもためらわれた。
開口部は下端を切って揃えたが、この部分は前後同じで、塞ぎ板が付属しており行き止まりにもできる。
反対側に塞ぎ板を使って行き止まり状態にしたが、単に凸モールドの目立たぬ細い線が入っているだけのものである。
窓部品は内側に接着してあるもので、窓桟のモールドも浅い出来の悪いものだった。
しかも成形が甘く違和感があったので、開口部に合わせて切り出して、窓枠とツライチに接着した。
窓桟のモールドがあまりにも悪く、フリーハンドでは塗れなかったので、しかたがなくマスキングテープを貼りながら塗装した。
桟自体も大雑把なので、縦横もう1本はほしいところかもしれない。
これだとなんとなく、HOナローの機関庫の方が似合わなくもないかもしれない。
長さは大型蒸気機関車も入るくらいだが、中型機が休む駐泊所あたりの庫が似合いそうだ。