河合商会・山の温泉宿
Nゲージでも使える箱庭シリーズのひとつで、前掲の田舎の駅とこれだけが1/150と表示されていた。
初めて存在を知ったのは、第10回くらいの銀座松屋で開催された鉄道模型ショウだったと思った。
メーカーに勤める知人(故人)に、よいストラクチャーはないかと訊いたところ、河合のブースに連れて行かれた。
まだ今のようにストラクチャーもない時代だったので、かなり重宝されたのではないかと思われる。
大きなレイアウトには、だいたいひとつくらい組み込まれていた記憶がある。
鉄道模型メーカーのレイアウトだと、あまり他社製の建物を使いたがらないが、プラモデルメーカーのものなのでよしとされたのか。
これも建物とシーナリィをトレイに載せて情景を作るのだが、複雑な地形になっていた。
露天風呂あり、吊り橋ありと、ずいぶんと凝った作りになっていたが、いくつかの部品を残して地形などは廃棄したはずである。
手元に残っているのは、この建物と東屋のほか、あまり出来のよくない吊り橋くらいだろうか。
部品構成は駅舎とほとんど同じくらいで、そのまま組み立てて塗装したにとどめた。
たしか屋根の上に石を載せるようになっていて、本物の小石が入っていたようだが付けなかった。
一体成形の屋根を前後逆に付けているかもしれないが、公式な完成見本で煙突が前に来ているものもあったりする。
無理に山奥に置かずとも、旧街道沿いにある古い旅館という設定でも充分ではないだろうか。
あとからコレシリーズでも、似たようなものが出されていることから、先駆的な模型だったとも言えよう。