しなのマイクロ・複線煉瓦機関庫
HOメーカーのしなのマイクロが、積極的にNゲージ進出をしてきたことがあった。
旧型D級電気機関車など何種類も出したので、買う方も慌ただしかった。
いづれも真鍮製の完成品だが、たしか5000円台だったので、とくに高いとは思っていなかった。
ほかにも金属製の電車などを連発したが、マイクロクスブランドを立ち上げた直後に倒産した。
模型雑誌に「これからはマイクロクスとお呼びください」という広告が出ていた記憶がある。
トミックスの真似かと思ったが、行く末を見極める前になくなってしまった。
ストラクチャーも何点か出しており、これもやはり金属製の完成品だった。
キットも出たらしいが、見たことはない。
糸魚川の3線機関庫を縮小したような形状で、日本型の煉瓦機関庫としては最もよい形であろう。
角は外側にエッチングのアングルを貼ってあり、支え壁の部分はダイカスト部品だと思われる。
窓枠も細かいものを内側からハンダ付けしてあるなど、たいへん細かい出来ではある。
惜しむらくは、扉が大雑把な形状だということだろうか。
機関車もそうだが、これも当時としてはそれほど極端に高いものではなかったはずである。
最近は「昔はよく、あの値段で金属製完成品を買えたよな」と話すことがある。
物価上昇率から考えても、当時の金属製完成品は今よりも割安だったと思われる。
これも一度セクションに組み込んだことがあるので、ウェザリングはそのときのものだ。
思えば今から30年以上前の高校生の時代だった。
窓枠と扉はそのときに色入れしたものだが、よくやったものだ。
あとでどこにどう使うかは考えていないが、田舎よりも港に置きたいような気がする。
ほかにも碓氷峠の煉瓦橋に似たものも出していたが、こちらはキットしか見たことはない。
あとは、小柄だがやたらと重いダイカスト製の煉瓦造給水塔も完成品で出しており、これも持っている。