エーダイ・ローカル駅舎
ずいぶん前の話になるが、プラモデルメーカーの永大産業が鉄道模型に進出してきた。
永大グリップの名でスポーツカーのプラモデルなどを出していて、トヨタ・セリカLB2000GTを買ったことがあった。
組立途中で部品を大破させたが、電話をかけたところ、すぐにその部品を無料で送ってくれるなど親切なメーカーだった。
それがいきなりNゲージ鉄道模型を売り出し、当時としてはなかなかよい出来だった。
車輌は関水金属、ストラクチャーはグリーンマックスを超えると豪語していたらしく、続いていればたしかに肩を並べただろう。
ストラクチャーはこの駅舎とホームしか出していなかったが、とてもよくできた完成品だった。
成形色で作られていたが、屋根だけは塗装されており、よい色なのでそのままにしてある。
グリーンマックスはキットメーカーで、こちらは完成品なので単純に比較はできないが、並べても何ら見劣りはしない。
外側に回廊を付けた駅舎はこれまでになかったので、そのあたりはずいぶん歓迎されたものである。
これもトミックスの木造駅舎と同様に、ホームの高さに位置するようになっていた。
ホームの一部が拡張され、その上に載っていたが、トミックスと違って横からスロープで登るところがなんとなく現実的に思えた。
そのうち道床付線路まで出したものの、あっけなく倒産してしまい、いつしか幻のNゲージになってしまった。
同社の製品で買ったものはこれだけなので、うちにはほかに何もない。
地面と回廊の柱の下部は、プラ板とプラ丸棒で作り直したが、本来どうなっていたのかは思い出せない。
屋根以外は塗装したが、あとはそのままのはずである。
エーダイというのは正式な名称かどうか覚えがないが、鉄道模型では一般的にこの名で表記されていたかもしれない。
すでに手元にカタログもないので、そのあたりは不明である。
たしか今は亡きバンブー商会だったと思ったが、これに発車ベルなどを組み込んだものを売っていた記憶がある。