マンション01
このキットは、国内で販売されているのを見たことはない。
関水金属のカタログに掲載されていたレイアウトに置かれていたが、どこを探しても見つからなかった。
KIBRI自体が日本国内であまり流通していなかったこともとあり、入手できるとは思わなかった。
まだ共立模型の存在を知るはるか前だったので、なおさらのことだった。
これはドイツの小さな模型店で見つけて、ほかのKIBRI製品と一緒に買って帰ったものだ。
ほかのものがどれだったか、あまり記憶にないが、これだけは鮮明に覚えている。
荷物が増えると困るので、箱は蓋の上の箱絵だけ残して現地で廃棄した。
一番大きな箱をひとつかふたつだけ残して、あとのはその中にむりやり押し込めて帰国した。
成田の税関で「これは何ですか?」と訊かれたので「見ての通りのガラクタです」と答えたところ、そのまま通してくれた。
あまり高額だと課税対象になるようだが、それほど極端に高くもなかったし、プラゴミのようなみすぼらしい姿だったので、相手にされなかったのだろうか。
あとで考えてみると、現地で買っても日本で買っても、あまり値段は変わっていなかったものが多かったようだ。
それにしても、世界中にありそうな下駄履きマンションで、1970年代初期の日本にも違和感はない。
買って作った当時は、まだレイアウトの具体的な構想もないので、建物は6階までという今の制限を無視してそのまま組み立ててある。
今後どうするかまでは、今のところ考えていない。
本当に一部塗装だけで組んだが、だいぶ汚れてきたので大規模改修工事が必要かもしれない。
屋上の出来がいまひとつだったので、国産キットの余剰部品やプラ角棒を使って一部改造してある。
金網は、なぜかうちにあった津川洋行の製品を切って貼った。
実は1階のショーウインドの窓ガラス部品が1枚たりなかったが、詰め替えた際にホテルでなくしたのかもしれない。
なにしろ、圧縮するためにランナーもずいぶん捨ててきたことだし。