マンション03
欧州製のストラクチャーの特徴は、やはり山形屋根ではないだろうか。
鉄筋コンクリート製と思われるちょっとした高い建物でも、瓦の4方流れや鉄板棒引の2方流れの屋根が載っていたりする。
日本だと帝冠様式を別とすれば、ほとんど見られないのではないかと思われる。
西洋建築が普及し始めた頃の明治時代にはまだ見られたが、モダニズムが流行ってくるとそれもすたれてくる。
最近はマンションなどでも、保守軽減のためか山形屋根を採用するところが増えてきたようだが、うちの設定年代ではちょうど空白だったかもしれない。
そのようなわけで、欧州製のアパートのキットを買うと、もれなく山形屋根が付いてくるし、それもまた派手なものが多い。
深い屋根というか、傾斜がきついのでその分高くなり目立つだけではなく、出窓まであるのでそれに輪をかけている。
このキットは何で買ったのかよく覚えていないし、元の形も今や定かではない。
たぶん1〜2階と3〜4階が前後だったと思われるが、妻面は半端な形で組んだと思われる。
ひとつ確実なのは、屋根は深くて派手な山形屋根だったということだ。
結局、買ってもてあましたものをなんとか使えるようにしたのだろう。
たしか屋根は派手なのとド派手なのがあって、買ったのは派手な方で、半分に切って温存してあるはずである。
なんとか重ねて4階建てのマンションというか文化アパートメントのようなものを作ってみた。
屋根や側面はプラ板で、背面もプラ板を貼って一応塗装だけはしてある。
正面の部品はとりたてて改造していないが、3階のベランダはグリーンマックスの地下道入口を流用した。
高置水槽はやはりグリーンマックスの公団住宅(平キット)のあまりを使い、その手前の明かり取りのようなものは、同社の伊豆急100形キットのものだ。
戦前からあるような建物を考えて作ったのだが、中央が吹き抜けの階段で、住んでいるのは3〜4階で、1〜2階は事務所とか応接室とか。
作りながら考えていたのは、明智小五郎の開化アパートなので、電車通りに置くよりもちょっと静かな高台にでも置いてみたい。