駅舎02

日本の鉄道というのは欧米に比べて歴史が浅いので、あまり古いものが残っていないのはたしかだが、それ以前に何でも壊しすぎる。
主要な鉄道建築物のいくつかは震災や戦災で破壊・焼失したが、生き残ったものも次々と取り壊されていった。
あるいは原形を留めないまでに改造されて、往時を偲ぶことも難しいものが多い。
欧米が、全ての古い駅舎などを残しているかというとそういうこともないが、文化財としての選択や管理に関しては優れていることだろう。
要は日本人は空間の利用がヘタなので、古いものを取り除かなければ成り立たせられないということだと思われる。
残念ながら、そういったところで日本の文化水準の低さは否めない。
欧州でこれだけの駅舎があれば、戦災を受けてもそのまま補修して使い続けているかもしれない。
近年ドイツでは、戦災で完全に破壊されたフランクフルト・アン・マインを復活させるという大事業を成し遂げたそうだが、東京駅再建よりも難事業だったはずである。
JRは東京駅を免罪符にして、破壊の限りを尽くすつもりなのだろうか。
軽井沢駅の破壊など、その悪しき例であろう。
私がレイアウトを作る理由は、鉄道のお墓を作りたいというようなものだから、こういった駅舎も現役扱いになる。
そこで、このような石造りという言葉が似合うような駅は、どうしても必要になってくる。
中央の出入口の扉を撤去したくらいで、あとはほとんど全面塗装だけの無改造で仕上げた。
灰色系で塗装したが、箱絵(本当に絵だった)は黄土色系だった。
改札口側は開口部を広げたが、改札はレイアウトに組み込む際に作るつもりでいる。
両端の構造が旧新橋駅にいくらか似ているので、頭端式の駅に使いたいとも思ったが、幅がありすぎるので断念した。
高架ホームの港の近くにある駅にして、右端は貴賓室で車寄せを作ったらよいかもしれない。