ビル04
これも負けず劣らず昔に買ったものだが、なぜか生き延びている。
たぶんそれほど出来が悪くなかったせいだと思われるが、ほとんど無塗装で作ってある。
塗ったところと言えば黒い窓枠と屋根瓦だけで、あとはことごとく成形色のままだ。
それでも輸入キットの色合いというか地肌はよいので、このままでもよさそうな気もする。
さすがにベランダの柵くらいは光沢が目立つので塗りたいが、あとはあまり考えていない。
これはビルというか下駄履きマンションというか、微妙なところでもある。
輸入キットによくあるマンションだとしたら、玄関は写真右の端にある扉ということになるだろう。
それにしても、間取りのよくわからない建物であることは確かなようだ。
最初は平屋根で作ろうかとも思ったが、当時の技術では充分な改造ができなかったこともあった。
組み上げてみると瓦屋根の方が似合うと思うので、いまさら改造もなさそうだ。
あるいは半割にして、どちらかを平屋根にするというのもありかもしれない。
日本だと1960年代の後半だろうか、このような建物が現れ出した。
黄色とか赤とかが一般的に使われるようになったのも、だいたいこのくらいの時期だと思われる。
60年代モダンというべきか、今でもそのよさは失われていない。
鉄筋コンクリートで勾配屋根の建物は、最近になって集合自由宅を中心に増えてきた。
たぶん保守点検の期間が、平面に防水塗装をするよりも長いからではないかと推測される。